使いながら学べる設計にする
プロダクトの良し悪しを、機能の多さで測らないほうがいい。セルフサーブで広がるプロダクトの条件は、はじめて触った人が、説明書を読まずに使い方を身につけられることにある。ここでの土台は「学習コストを下げる」の一点に集約できる。具体的には、一貫性・遍在・予測可能性の三つで設計する。
いつも同じ場所に、同じものを
画面の構造を固定する。サービスの機能は左、管理系は右上、主アクションは右下、というように、役割ごとに置き場所を一つに決める。同じ項目を複数の場所に重複させない。「どこを操作すればいいか」を毎回考えさせないことが、そのまま学習コストの低さになる。
同じ考え方は見た目にも及ぶ。同じ役割のボタンやリンクやカードは、色・サイズ・角丸・余白まで揃える。並び順も揃える。逆に、役割が違うものは、はっきり違う見た目にする。「同じものは同じ、違うものは違う」を徹底すると、読み手はUIの意味を視覚だけで学習できる。
言葉も同じで、一つの操作には一つの語を当てる。「削除」と「取り下げ」のような言い換えを混ぜない。同じ操作に別の語が当たっていると、別の機能かと疑わせ、迷いと不安を増やす。
次に何が起きるかを、先に見せる
メニュー項目や入力欄やボタンには、操作すると何が起きるか、ここで何ができるかを、一行で添える。これは期待値の調整でもある。名前だけのメニューや空の入力欄は、結果を隠してしまう。操作の前に結果の見当がつき、期待値が事前に揃っていると、実行後の齟齬や不安が減り、人は迷わず手を動かせる。
破壊的な操作は、逆に予測できる場所から隠す。削除のような取り返しのつかない操作は常時表示せず、メニューの奥に置いて確認をはさむ。見せるべきものと隠すべきものを、予測可能性の観点で分ける。
課題起点で、価値を先に体験させる
これらの土台の上で、設計の起点は常に「誰の・どんな課題を・どう解決するか」に置く。機能から説明を始めるのではなく、課題からUIとコピーを組み立てる。そのうえで、最初の成功体験までの摩擦を削る。登録した直後、空の状態のまま放置しない。何ができて、次に何をすればいいかを、その場で示す。使うほど蓄積が増え、上達が実感できる構造にすると、プロダクトそのものが使い続ける理由になる。
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