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複数プロダクトを一つの物差しで測る

事業

メディアやプロダクトを複数抱えると、品質の管理が属人的になりやすい。それぞれを別々の見た目や感覚で判断していると、横断で比べられず、改善の優先順位もつけにくい。品質は、個別の見た目ではなく、共通の物差しで測ったほうがいい。ここでは、評価の軸と、それを回す運用の二つを分けて整理する。

評価は、体験の三軸で測る

新規ユーザーの体験を、次の三つの軸で採点する。

  • 到達性と価値の即時体感。はじめて訪れた人が、迷わずコンテンツや機能にたどり着き、それを読む・使うだけで、そのサービスが何の価値を提供するかを体感できるか。第一訪問で価値が伝わらない導線は、その時点で失敗と見なす。
  • 次アクションの提示。読んだ・使った、あるいは「今回は使わない」と判断したその瞬間に、次に取れる行動が用意されているか。満足したときも、離脱しようとするときも、次の一手があること。
  • 体験を通じたブランド認知。一通り体験し終えたとき、そのサービスが何者で、何を約束するかが記憶に残るか。単発の便利さではなく、独自の価値のかたちが体験に埋め込まれていること。

この三軸のいいところは、見た目の好みを持ち込まず、「新規ユーザーが価値を体感し、次に進み、ブランドを覚える」という、メディアにもプロダクトにも共通する到達点で測れることにある。監査は、実際に初訪問からこの流れをたどって採点する。

物差しを、定期的に回す

軸を決めたら、それを一度きりの点検で終わらせず、定期監査として回す。複数の対象を同じチェック項目で採点し、スコアを時系列で残す。前回との差分を取り、悪化した項目を退行として検知する。人の目で毎回ゼロから見ると、良くなった点には気づいても、静かに悪化した点は見落としやすい。差分で見ると、劣化が表面化する。

チェック項目は、対象の性格に合わせて出し分ける。メディアには回遊や読了の設計、プロダクトには操作導線や一貫性、というように、共通の軸の下で、対象タイプごとに当てる項目を変える。すべてに同じ項目を機械的に当てるより、精度が上がる。

物差しそのものを、資産にする

最後に、この物差し自体を、更新し続ける資産として扱う。現場で新しく気づいた原則は、そのつどチェック項目に足していく。物差しの質と、それを更新し続ける運用こそが、横断で複数を抱える強みになる。仕組みは誰でも作れるが、何を良しとするかの基準は、実際に運営し続けた経験からしか育たない。

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